父の真意炊事で怪我の光明

2022年06月29日

投票所入場券

もうすぐ参院選があるということで、
我が家にも投票所入場券が郵送されてきた。
よその市町村がどんなふうかは知らないけれど、
うちに届く券はいつも、
ここから剥がして下さいと隅に書かれた接着式のハガキで、
開くと4枚、4人分の券がついている。
末子の二男が選挙権を得たとき、5人家族だったので、
1通のハガキでは足りず、2通に分かれて送られてきた。
それが今や3人暮らし。
離婚したとき、私は1人自分だけの籍を起こした。
元夫が住民票は残したまま家を出たので、書類上は同居状態。
県外に就職して住民票を移した長男以外、
今私と暮らす長女と二男は、元夫の世帯に残ったままだった。
だから、我が家の住所には2通のハガキが届く。
1通は私宛ての私一人分の入場券。
もう1通は元夫宛てで、長女と二男の分がついている入場券。
そのはずだった。

仕事から帰ってポストを覗くと、ハガキが1通入っていた。
宛名は私。私1人分の入場券。
もう1通は元夫に届いているに違いなかった。
離婚する前から別居で家を出ていた元夫は、
自分宛ての郵便物が自分のアパートに届くように、
転送願いを出していた。
そう思って何も疑わずハガキを開くと、そこに私の入場券と、
名字の違う長女と二男の入場券がついていた。
驚いた。それが意味することは・・・。
長女と二男が、父親の籍ではなく母親の籍に移った。
でももしそうなら、成人している2人の意志だしそう言うはずだ。
それにそうする場合は、
2人の名字も私と同じに変更しなければならないと聞いていた。
だからそれはない。
だとすると、元夫が自分の住民票をどこぞかに移した。
元夫の入場券は転送されたのではなく、
別の市町村の住民として正規に彼に送られた。
それで、ここに住民票のある私と長女と二男の分が、
籍や世帯に関係なく1通で届いた。そういうことだ。

元夫は、市町村は違えど車でものの5分のところに住んでいる。
部屋番号のついた集合住宅の借家だと分かる住所、
仮住居に住民票を移すだろうか。
もしかしたら、
元義父母が2人で住む実家に移したのではないだろうか。
もしかしたらアパートを引き払って、
実家に戻ることを考えているのではないか。
もしかしたらもう既に・・・。
元夫は、私より深刻に、親に人生を支配された自己愛人間だから、
自分で自分の人生を切り拓く能力を、
育まれることなく大人になってしまった人だから、
50代後半の年齢や、
学校長という職を務めているという表の顔に似つかわしくない、
極めて稚拙な一面を持つ。

今となっては余計なお世話だけれど、
私達はそれぞれの親とは違う、
子供の気持ちを考えて、
幸せを応援できる親になろうとして結婚した。
できることはお互いしてきたのだと思う。
でも私自身がそうだったように、
元夫も親に習うしかなかった部分が多々あったのだろう。

親が子供にすることを、愛だと受け取りたいのが子供だ。
本当は親の身勝手で自分を満たしたいだけだったとしても、
子供は親を肯定し受け入れることで、
認められていると感じようとする。
そうしないと自分が存在していることが分からないのだ。
本当は自我の安定した親が、子供の気持ちを汲み取れるのがいい。
子供が自分の気持ちを確認整理できるように、向き合えるのがいい。
でもそうでない場合、子供は生存をかけて親に迎合することを選ぶ。

元夫の両親は、そのまた彼らの両親の期待を裏切らない、
期待を背負った教員同士の夫婦だった。
そして彼も、期待を裏切らない教員になった。
自分が確執のある両親と同じ教員になった理由を、
多分彼は後付して吹いていたのだろう。
同じ鉄は踏まない・・・それは本心だったはずだ。
でも、同じ世界に生きようとして、
父親が名を成すために何をしてきたかを知った。
同じ世界に生きることになった息子のために、
どんな手を回すことができたかも分かった。
彼はそれを、愛だと受け取らずには生きていけない。
お家へお帰り。
帰ったところで、彼が本当に欲しいものをもらえるとは限らない。
でも、もらえないということを理解しないと、
自分を生かす道は探れない。

道は分かれた。
来るべき時だったのか、遅きに失したのか、
もっと早くそれを理解できていたら、
私達はあんなに傷つけ合わなくてもよかった。

もう、転送サービスのない宅配業者のメール便も、
元夫に転送しなくてもよくなる。
どうぞお元気で。



kuturoguhebitomomi at 10:33│Comments(0)

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
父の真意炊事で怪我の光明